くま美術史

くま美術店の公式ブログです。するりとわかる美術史や、笑える美術の展覧会情報などをお届けしていきます。公式販売サイト「くま美術店」http://kuma-bijutsu.jp/

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ファンキー、センキュー、ファンキー【1日1品】

世界に感謝!! 本日はちょっと短めです。 なぜなら私の誕生日で、ディナーに出かけているためです。 センキューワールド! 生まれてきてよかったよ! この記念すべき日に、どんなアーティストのことを書こうかなと考えていました。 やっぱり古代ギリシャと…

必要なのは、安心して暮らせる場所【1日1品】

お魚大好き。 なぜか昨年の末ぐらいから築地市場に行く機会が増えています。 いやぁ、あれですね。 こんな始まり方すると、やっぱり書きにくい(笑) もちろん新聞や雑誌ではなく、ただの個人ブログなのだから好き放題言いたい放題書けばいいんですが、社会…

テレビとアートの距離感【1日1品】

これはオランダのコメディアンであるシッパーズです。 それはそうと、野性爆弾の川島さんが好きです。 あの人、すごくないですか。 なぜいきなりそんなことをというと、本日の1品はWim T. Schippers(ウィム・T・シッパーズ)の「Pindakaasvloer」だからです…

エロい絵【1日1品】

だから「フランダース」のネロも、最後にルーベンスの絵をご所望だったのですね。 セシリー・ブラウンは、1969年にロンドンで生まれた女性のアーティストです。 最近の画家の中では珍しく、昔の巨匠たちの描き方を踏襲しまくって絵にしています。 影響をうけ…

氷の愛嬌、ダンディズム【1日1品】

アラン・カプローを知っていますか? カプローは1927年にアメリカで生まれました。 大学でアートを学んだ後、別の大学で有名なジョン・ケージから音楽を学びました。 ピアノの前に座ってなにも弾かないことで有名なジョン・ケージです。 結果、カプローは「…

ぐにゃっとした鹿の角【1日1品】

奈良に行きたくなりました。 嘘です。 昔、おじいちゃんが山で拾ってきた鹿の角が、タンスの上にいくつもありました。 子どもながらに、かっこよさと同時に、触っちゃいけない畏れみたいなものを感じていました。 本日の1品は、韓国系アメリカ人のマイケル・…

追悼。ハッサン・シャリフについて【1日1品】

偉大な方でした。 美術は、リレーのように3万6000年ぐらい(少なくとも)続いています。 たくさんの人が自分の時代を反映した作品をつくることで、美術は少しづつ変化し、パスされ、つながっていった歴史があります。 すごいのは、世界中、どの時代にも、誰…

かわいいは、怖い【1日1品】

www.instagram.com ぬいぐるみって、なんか怖い時あるよね。 ホラー映画の女の子は、だいたいぬいぐるみを持ちながら、恐怖なことをしている気がします。 かわいい見た目のはずなのに、そこはかとない不安感をおぼえるアイテム。それがぬいぐるみです。 1962…

2重のナチュラル【1日1品】

www.instagram.com 遠足、行こ!! 本日は最後に宣伝も。 淺井裕介。 おそらくあと数年後には、村上隆や奈良美智、会田誠らと同じぐらいのインパクトで、淺井裕介の名前が呼ばれる日がくると思います。 そのぐらい作品がいい。 むっちゃいい。 本日の一品は…

見ようとしたら、見えるっ【1日1品】

能天気な顔。 彼は人類史上、最も能天気なスタイルで、作品を量産するマーティン・クリードです。 マーティン・クリードの作品は、美術というよりは音楽に近いなって思います。 それも、DJとか、DTMみたいな、音を集めてくっつけるみたいなやり方の音楽に近…

パンク野郎はけっこう好かれる【1日1品】

ロシアのプーチンじゃないよ。ウールだよ。 にわかに、クリストファー・ウールが脚光を浴びています。 きっかけは、芸能人の紗栄子さん(モデル? )という人がインスタグラムに投稿した1枚の写真。 www.instagram.com ここに写っている絵が、とんでもないも…

男子の秘孔を突くアート【1日1品】

男の子の口がふさがらず、よだれがオロオロ出つづける。 本日の1品はメキシコ人アーティスト、ダミアン・オルテガの「Cosmic Thing」。 直訳すると「宇宙のこと」。 オルテガさんはもともと漫画を描いていて、ある時から美術作品を作りはじめました。 本人も…

夢の世界に行きたかったのに……【1日1品】

これが木でできているって信じられます? 今日は上野にある東京都美術館で開催中の「木々との対話」というショーを見てきました。 その名の通り、木を素材に扱っている現代の作家5人の作品が集まっています。 トップの画像は須田悦弘さんの「薔薇」です。 で…

川の水が流れる部屋【1日1品】

スマートなだけでなくクレイジー。 曾建華 (ツァン・キンファ)は1976年に中国の広東省で生まれ、香港の芸術大学で学んだ後にロンドンの芸術大学院を出ました。 作品の裏側がまぁ、小難しく。 ニーチェが大好きな彼はその言葉からインスピレーションを受け…

深くてゆったりな黒人の絵【1日1品】

www.instagram.com ドープでかつチルな感じ。 ついこの間「人種差別とか黒人の問題とかはよくわからん」ということを書きました。 今もよくわからないんですが、わからないことを調べるのはとっても楽しいことなので、少しだけアメリカの若手黒人アーティス…

美術vs技術【1日1品】

話題のVRじゃないぜ! アートってなんのためにあるの?って質問は、とっても難しい質問です。 これだけ工業的な技術が進歩してくると、ものを作るのも人の手より工作機械の方が確かかもしれないし、魔法のような世界を映像で作り出す技術もどんどん進化して…

やりきった感のある顔【1日1品】

目、怖! 张洹(ジャン・ホワン)は、中国のアーティストです。 河南省で生まれ、上海とニューヨークを拠点に活動しています。 中国のアーティスト?? 水墨画とか?って思われる方もいるでしょうが、現代美術の世界マーケットでは中国人の動向が最も注目を…

人種差別とキラキラ【1日1品】

とびきりリッチ。 現代のアメリカを代表するアーティスト、ラッシード・ジョンソンが美術界で活躍しはじめたころ、ニューヨークタイムズが彼の作品を評した言葉です。 その後のラッシードの活躍も、驚異的なまでに華々しいものとなります。 アメリカの名だた…

石川直樹さんの講演会に行ってきました【1日1品】

www.instagram.com 今日は1品ではなく、作家のインスタグラムから数点貼っていきます。 さっき、探検家で登山家で写真家の石川直樹さんの講演会に行ってきました。 毎年、ご自身で登られた山の話をする会で、今年で5年目だということです。 今回は、今年の6…

想像力の戦争【1日1品】

よすぎた。 ちょっとよすぎたよこれは。 「国立近代美術館」で開催中の「トーマス・ルフ展」。 ひさしぶりに鳥肌立ちました。 ルフは、ドイツの写真家です。 写真と言えばドイツ、ドイツと言えば写真です。 ベルント&ヒラ・ベッヒャーにはじまり、アンドレ…

ブラジルかわいい【1日1品】

かわいいは正義。 なにも女子高生に限った話ではなく、アートの世界もかわいいは正義です。 私も、かわいい作品は大好き。 なんなんでしょうね。 このかわいいって思う感情は。 しかも、どうやら人間だけではなく、他の動物も同じように感じている(らしい。…

ニコラス・セロータの退任【1日1品】

イギリスに「Tate」(テート)という国立美術館のネットワークがあります。 テート・ブリテン テート・モダン テート・リバプール テート・アイヴス そしてウェブページの「テート・オンライン」を合わせて5つの美術館からなるグループです。 特にテート・モ…

美術作品の見方は人それぞれではないし、自由じゃない【1日1品】

説明むすかしい! 本日は、ダブリンのアーティスト、イザベル・ノーランを。 ちょっとややこしい人なので、説明が難しいです。がんばります。 読んでくれる方も、ちょっとノーランの作品を見て、彼女がなにを言いたいのか考えてみてください。 ノーランは、…

機械の中の個人【1日1品】

男子垂涎。 本日の1品は、イギリスの作家ジェームス・カッパーさん。 見てください。この、猛々しい機械の中に、少年のにおいがしてくる形を! こんなの小学生の男子に見せたら、よだれ垂らしてよがり狂うこと必然です。 これはカッパー氏がつくった、産業用…

金と訴訟とアートとポパイ【1日1品】

ジェフ・クーンズの「Popeye(ポパイ)」という作品です。 自分でも何を言っているかわからないのですが、この作品は完成する前に400万ドル(当時のレートで約3億6800万円)で購入され、やっぱやめたとキャンセルされ、支払った価格よりだいぶお高い1200万ド…

チェルシーの女王【1日1品】

今日はジュリアン・シュナーベルにします。 80年代のニューヨークを代表するアーティスト。 THE わけわからん現代アートって感じの人です。 ジャン・ミシェル=バスキアの伝記映画「バスキア」を撮影した監督と言えば、「ああ!」と思う人もいるかも。 ジュ…

私は、古代ローマと地元の群馬県を同じぐらい愛しています【1日1品】

今日は上野の「東京都美術館」に行ってきました。 「特別展 古代ギリシャ 時空を超えた旅」を見るために。 もうすぐ終わってしまうから、焦って行ってきました。 私は、古代ローマと地元の群馬県を同じぐらい愛しています。 古代ローマは、古代ギリシャのこ…

N.S.ハルシャがやってくる【1日1品】

来年の2月から、六本木の森美術館でN.S.Harshaの大規模な展覧会が開かれるそうです。 うおー!! すごい楽しみ!! ニューヨークとかでは相当に人気のある作家で、日本にも横浜トリエンナーレとかにも来てた(らしい。見てない)ですが、こんなに早くたくさ…

豆腐のような絵【1日1品】

好きじゃないけれど、認めざるをえない。 そういうものってたまにあります。 たとえば、豆腐。 私は、豆腐のことはまったく好きになれません。 嫌いではないけれど、好んで食べることはありません。 でも、豆腐が多くの人に愛されていることは理解できるし、…

リアリズムという狂気【1日1品】

スペインにいるアントニオ・ロペス・ガルシアという画家の絵です。 現代スペイン・リアリズムの巨匠と言われている通り、すさまじい画力です。 描けすぎ。 洗面台が、洗面台すぎる。 まさに「描けてる」。 私がアントニオのことを初めて知ったのは、「マルメ…