トライベッカ・ボール【昨今のアートワールド】
「New York Academy of Art」という、NPOが運営する美術大学があります。割と有名な大学。創設者はアンディ・ウォーホルなどで、比較的新しい大学なのですが、とにかく前衛的なことやる!って雰囲気に満ちているらしいです。そんな雰囲気の中だと、呼吸しにくそうですよね。
あと、この大学には、教育とは別にもうひとつ美術館としての顔もあり、「Tribeca Ball」という賞をつくって毎年、最先端なアーティストの作品を収集し、展示しています。
2017年の Tribeca Ball は、Will Cotton(ウィル・コットン)というひたすらにファンシーな世界を作り続けるアーティストさんで、会場には、フクロウがいるらしいです。
言っていることわかりますか?
私も書いていて、なんのこっちゃ?って思っていますが、そういうことみたいです。
メモリー・イン・ベニス【昨今のアートワールド】
デビッド・ホックニー【昨今のアートワールド】
David Hockney(デビッド・ホックニー)の大規模な展示が、「Tate Britain」で行われいるようです。
1937年にアメリカで生まれ、早い段階から当時はまだ珍しい素材だったアクリル絵の具で絵を描き始め、60年代のポップ・アートが注目され始めた時代に頭角を現し、その後、今に到るまで数多くの大作を作り続ける生きる伝説。
ちなみに、同性愛者であり、あのアンディ・ウォーホルのパートナーだった。
才能は、才能と惹かれ合う。
セルフィー・プライズ【昨今のアートワールド】
ついに……!って感じかな。
The Saatchi Gallery(サーチ・ギャラリー)というwebサイトがあるのですが、そこがセルフィーの国際的なコンペティションを開催します。優秀な作品は、イギリスの有名美術館に展示される機会を得られるそうで、アートの枠組みがまた一歩広がっていきます。
そりゃそうで、どんな分野であれ、プレイヤーの数と質は確実な相関関係にあります。セルフィーの総人口を考えると、その上位0.001%が撮っている作品は、すさまじいものだろうと想像できます。だから、美術館に展示されるのも当然。
この画像は、セルフィーと言ったらゴッホだよねってことらしい。確かに。
ちなみにこのゴッホの雨の絵。
本物見たことないけど、最高じゃね。
レッツ・トーク・アート【昨今のアートワールド】
すごくシンプルなんですけど、サービスってこうあるべきだなって思います。
あの「MoMA」が。世界最高の入場料と収蔵品を誇るニューヨーク近代美術館が、こんなサービスを行っています。
美術館の中に、なんでも質問に答えてくれる人がいるので何でも聞いてね。もしくは、質問を紙で書いてもらったら、どんなことにも答えるよ!
美術館に置かれている作品の解説文って、かなりわけのわからない失礼な文章が多いですよね。そうじゃなくて、世界最高の美術館は、お客さんひとりひとりにきちんと向き合って、作品を理解してもらう方法を提示しています。
アイデアとしては普通! でも、必要なのはこういうことかなって思います。
イーゼル・キャンセル【昨今のアートワールド】
このおしゃれ過ぎて膀胱がゆるくなりそうな空間は、Neo Rauch(ネオ・ラオホ)というアーティストの仕事場です。
ちょっと見てほしいのは、壁のテープ。昔、絵を描くといったら、イーゼルという三本足の木の台にキャンバスをセットするのが一般的だったのですが、今はもっとワイルドになっています。
壁に、キャンバスをテープで張り付けて、そのまま描く。もしくは床に置く。これが、今のスタイル。
作品がね、デカくなりすぎて、これが一番楽なんですよ。
エミリー・ウォーディル【昨今のアートワールド】
燃える洗濯機。Emily Wardill(エミリー・ウォーディル)さんの映像作品の一コマ。
エミリーさんは1977年にイギリスで生まれた、現役バリバリのアーティストです。
大学で映像制作を学んだあと、2010年ぐらいからは世界的な活躍をしはじめ、今後も時代を代表するアーティストになっていくことが期待されているような、平たく言うとすごい人です。すごい。
それはいいんですけど、この人、活躍し始めのころに、大きな賞を受賞したんですね。その賞は映像作品を集めたコンペティションで、副賞で賞金がつくことももちろんですが、優勝するとイギリスの公共放送でその映像が流れるという権利がもらえたらしいんです。
わけのわからない若者の、理解しがたい映像作品が、公共放送で全国ネットワークに出る!!
NHKさーん! メディア芸術祭の関係者の方々~!! 流せ―!
ラリー・ベル【昨今のアートワールド】
Larry Bell(ラリー・ベル)というアーティストの作品です。60年代から活躍をはじめ、以後、40年以上アメリカを代表するミニマリズムのトップアーティストとして活躍していた方です。
60年ごろのアメリカは「ポップアート」の全盛期で、とにかく見た目に派手な作品が多く生まれていました。ある評論家は「刺激が視覚を圧倒する状況」と言っています。
その中にあって、ラリーさんは超シンプルな作品をつくりました。ガラスで囲まれた空間そのものを「作品」だと提示するとか。
今では現代アートの当たり前になっているような表現方法を、かなり早い段階で実践していたのがこの方なのです。
この絵も、今、見ても超かっこいい。価値観は、変わっていくことを前提に生きた方がよさそうです。
フジコ・ナカヤ【昨今のアートワールド】
雨の日に。
中谷芙二子さんという、日本人のアーティストがいます。もっとも、生まれは札幌ですが、大学はアメリカに渡り、以降もヨーロッパやアメリカを活動の中心としているために、日本での知名度はそんなに高くない方です。
霧を使ったインスタレーションが有名で、人口の霧発生装置と制御装置を使って、こんな景色を作り出します。
もう、そこそこのご年齢ですが、まぁ、かっこいいおばちゃんです。
アート・アンド・マネー【昨今のアートワールド】
アートバーゼル香港が終わりました。結局、行けなかったけれど、まぁまたやるでしょう。盛り上がったようだし。
アートバーゼルに限らず「アートフェア」と言われるものは、基本的には見本市だし、即売会です。つまり、作品をお金でやり取りするための最初のフェーズです。
私は、美術品がお金に変わるって、すごく大切なことだと思っています。その理由は、アーティストの生活とか、客観的な価値評価とか、社会全体が創作活動に関与するためとかいろいろあると思うんですが。
私はそもそも「お金」というものに対してすごくいいイメージがあります。だって、お金がなければ力での奪い合いが始まるから。誰に対しても通じる交換価値を共有できているって、平和を維持する上で欠かせないことだと思うんです。
アートは、見えないものや、見えにくいものを、見えるようにする方法です。そういう意味では、お金はものすごくアート的な考え方で作られています。共通の価値を、すごくわかりやすく見せてくれるのがお金だから。
だから、美術作品自体もお金で取引されることは大事なことだなって思うんです。