くま美術史

くま美術店の公式ブログです。するりとわかる美術史や、笑える美術の展覧会情報などをお届けしていきます。公式販売サイト「くま美術店」http://kuma-bijutsu.jp/

TERADA Art Complexへ【びじゅツアー】

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昨日は「びじゅツアー」の日でした。

 

手づくりの旗をつくってお出迎え。

「びじゅツアー is Here」

韻をふんでみました。

 

品川駅の時計の前に集合。

10名を超えるみなさまに、オンタイムで集合いただき感謝です。

 

品川駅から品91のバスで「天王洲橋」まで。

 

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それにしてもお台場って上から見ると基地っぽくてSF心を刺激されますね。

 

ギャラリーはここ。(株)テラダロジコムの倉庫の3階です。

 

ニューヨークのチェルシーみたいな、海辺の倉庫をリノベしたギャラリー群。

 

ワンフロアに、「児玉画廊」「URANO」「山本現代」「ユカ・ツルノ・ギャラリー」という4つのギャラリーが入っています。

 

本日のメインはこちら。

これを見るために来たと言っても過言ではない。

 

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「URANO」に展示された淺井裕介さんの「胞子と水脈」

 

でかい! 最高最高!

いろいろなところから拾ってきた土で描かれています。(青いところは絵の具)

 

みんなでこれを見て「すごい!」「ダントツ!」「かっこいい!」となる予定でしたが……

 

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意外と隣の「ユカ・ツルノ・ギャラリー」に夢中な参加者の方。

アフリカ生まれの芸術家ホセ・パルラさんの「Small Golden Suns」

 

もっと人気だったのはこちら

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岩崎貴宏さんの作品たち。

 

たしかに、説明を聞くと衝撃だった。

大漁旗の上に、テーマパークの遊具が置かれているのですが、こちらの遊具、すべて大漁旗の繊維からできているそうです。

 

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この、鯛のやぶれたところから糸をとって、観覧車にしたという。

 

す、すげぇ。

 

そのあと「山本現代」で宇治野宗輝さんのサウンドインスタレーションを体験したのですが、

 

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そこそこ不評だった。

なんでだろう。

かっこいいのに。

 

小林耕平さんのまじ意味わかんない映像はなぜか人気。

 

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(この画像はイメージです。本物の映像はもっとわけわからないものです)

 

この作品にはまっていた人に

「この映像、なにが面白いんですか?」と聞くと

「わけがわからないのでずっと考えていられるところですね」とのこと。

 

玄人すぎる意見をいただきました。

 

ただ、満場一致で「なにこれ?」となった作品もあります。

「児玉画廊」の作品はほぼそんな感じ。

 

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わけのわからない絵を前に、必死で解説する私(足がキモい)。

質問も飛び交い、各自いろいろな感想を共有。

わけがわからなすぎて盛り上がるという、まさに現代美術の正しい楽しみ方。

 

 

〆は「今日いちばんよかった作品」を発表。

 

みんな、ばらばら。

それぞれ別の作品を気に入っていたようで、私がイチオシした淺井さんの作品はそこそこの人気でした。

 

絵を販売する人間として、不安が募りました。

私のセレクションは、的を外しているようです。

 

まぁでも、最初は、ほとんどの参加者の方が「ギャラリーは初めて。美術はよく分からない」と言っていました。

終わってみると「これのここがいい」「あっちの方がいい」と、それぞれの価値観から作品を評価されていました。

 

美術と言っても、いろいろあります。

いいものも、クズみたいなものもあります。

 

作品のよしあしなんて、自分で決めたらそれでいいんです。

人の評価なんてまったくあてになりません。

 

でも、人が興味を示すポイントを共有しあうことは、とても楽しいことです。

自分ひとりでは気づかなかった「なにか」に、気づくことができます。

 

アートを通して、自分の価値観と、他人の価値観を比べ、自分の気付かない自分や、自分にしか気付けない他人を知ることができるのが「びじゅツアー」のいいところだなと思っています。

 

と、昨日参加者の方に言われて、その通りだなと思ったのでさっそく自分で言っています。

 

いやー。

 

いい1日でした。

 

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ご参加いただいた方、ありがとうございます!

月に1、2回はやるので、またいつでもぜひ!