アウグスト・ザンダー【昨今のアートワールド】
久しぶりに書きますが、美術は、見えないものや、見えにくいものを、見えるようにする方法です。
だから、最近の画像加工文化は、ある意味正解というか、まっとうなことだと思っています。
私がよく見るのはグラビアアイドルとか、アダルトビデオの女優写真ですが、当人とは大きく異なる見え方に加工をされているけれども、それはそれで「男性の考える理想的な女性像の見た目」というすごく複雑なものを表現していると考えれば、加工はあり。
ただ、どんなに加工しても、この方の写真に出てくる人物の魅力には遠く及ばないんです。
1876年にドイツで生まれた August Sander(アウグスト・ザンダー)は、人物を撮影することで社会を記録することを目的に、普通の、そこらへんに暮らしている人々を撮影し続けました。
ポーズも、エフェクトも加えず、そのまま撮るというシンプルなスタイルで撮影された当時のドイツの労働者のきらめき。