くま美術史

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おいしいお肉が甘いように、美しいアートはかわいい【1日1品】

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「君の名は?」

「Dionisis Kavallieratos」

「でぃ…でぃおに…?」

「Dionisis Kavallieratos」

「ディオニシス・カバリエラトス」

「NAI」

「読みにくい名前だね。古代の人のようだ…」


本日はディオニシス・カバリエラトスです。

なぜなら、私、先日やっと映画「君の名は。」を見たからです。


おもろーやった。

おもろーの嵐。

今いちばん飲みたい酒は「口噛み酒」です。


だから、本日は名前がとても読みづらく、覚えにくいアーティストにしました。

ディオニシス・カバリエラストス。

長いのでディオさんにします。


ディオさんは、1979年にアテネで生まれました。

その後、ベルリンに移り、現在もベルリンを拠点に活動をしています。


ギリシャ人ですね。


私の友人が特別なだけかもしれませんが、とにかくギリシャは特別視されています。

経済破綻して、ドイツの税金を投入しまくっていても、友人はさわやかに「ギリシャのために税金が使われるならいくらでも納税したい」とクレイジーなことを言っています。

さすがヨーロッパ文化のルーツをつくったギリシャ


そんなギリシャの末裔が、ディオ様。

彼の作品はとにかく「かわいい」。


美味しい肉は「甘い」ように、美しいアートは「かわいい」ものです。

これは世の摂理。

最終的に、かわいければかわいいほど、優れたアートなのです。

まちがいない。


本日の一品は「Let's do the Locomotion」(移動しようぜ!)。

 

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陶器でできた彫刻で、動物が並んでいます。

どの動物も、顔の部分は別の動物にかわっています。

そして、交尾してつながっています。

 

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かわいい。

 

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だけでなく、彼はユーモアをとっても大事にしながら、キリスト教のタブーから解放された作品をつくっています。

キリスト教のタブーというか、男性だけの異種間交配の乱交なんて、どの地域も歓迎はしていないと思いますが。


ディオさんが言いたいのは「種族間の特性や、その個体の個性とは、いつどのように生まれて、それが社会のモラルやルールをどのように作っていくのか」

つまり、常識なんて、誰かが勝手につくったもので、個人とは関係ないし、変わっていくよね。

ってことを、言っているのです。


かわいいくせになかなか毒のあることをやっておりますな。