コドー【昨今のアートワールド】
イイネ・フロム・ホンニン【昨今のアートワールド】
いいおじさん。
いや、これね。僕がしたポストなんですけど。先日の石川直樹展「この星の光の地図を写す」の会場の様子です。
この画像を見て欲しいんじゃなくて、「いいね」してくれた人を見てほしんです。
この、数少ない「いいね」の中に、なんと石川直樹さん本人がいるんです。びっくりしましたよ。急に本人が「いいね」しだすから。
で、ちょっと調べてみたら、どうやら石川さんはインスタグラムでこの展覧会の会場の様子を出しているほとんどのポストに「いいね」しているらしいのです。
これ、ファンとしてはすごく嬉しい!!!
直接、「見にきてくれてありがとうございます」って言われている気分。掛け値なしに、そういうのは嬉しいものです。
こちらこそ、あんなに素晴らしいものを見せていただいてありがとうございます。
同時に、SNSの使い方を熟知した人だなと感心しました。
ダサイ・ポスター【昨今のアートワールド】
ニューヨークの「MoMA PS1」がクソダサいポスターを作っている。なんだこのデザイン。もちろん狙っているんだろうけど、それにしても絶妙なところをつくダサさ。
はぁ。ちょっと忙しい。今日はこんなもんで勘弁してください。
石川直樹展「この星の光の地図を写す」
今日は、茨城県の「水戸芸術館」まで行ってきました。気心知れたる仲間たちと、レンタカーでブイーッンと。途中、高速道路で後ろの人たちがシートベルトしていなくて捕まって1点減点されました。
今回、見てきたのは、写真家の石川直樹さん個展「この星の光の地図を写す」
もう一回、言いますね。
「この星の 光の地図を 写す」
そんな素敵な(絶句)。ちょっと、そんなこと言わないで欲しい。なんて美しさとロマンチックさ。世界が輝いて見えてきてしまう。
会場はこんな感じです。
すごくよくて、何がよかったのかなって考えてみると。いろいろいいところはあるんだけど、なによりも、会場の最後に福島でおこなったプロジェクト「TIMELINE」がとにかくものすごくよかった。
福島の中学生といっしょに、インスタントカメラで日常を撮っていった写真が、壁一面にベターっと貼られている。
そこは写真撮影禁止区域だったので画像はないんですが、なんだろうあれ。石川さんの写真は、神々しくなく、スッとそこにあるものを持ってきましたよ〜って言う雰囲気が魅力で。エベレストでも、K2でも、海でも、島でも、ジャングルでも、私の日常からはかけ離れた世界を撮っているのに、距離感がずーっと一定で見える不思議さのある写真。それが石川直樹の作品だと思っているんですね。
その、最終進化系というか、そのかたちがこの福島の写真たちからは見えたんです。距離感が近いどころか、自分の内側から出てきたんじゃないのかっていうほどの写真。写真を見ているんじゃなくて、自分の記憶とか、昨日見た夢とかを見ているような感覚。
もちろんね、もちろん。この福島のプロジェクトは「アートの文脈」からは外れている作品だと思うんです。やっていることもコンセプトも作品のクオリティも、西洋のアート文脈の中では稚拙って言われるようなもの。
でも、それが凄まじくよかった。
なんだろうなぁ。あのよさって。光が、体を透過して、風のように吹き抜けていく感覚。セックス的な気持ちよさの真逆にある、別の気持ちよさ。盛り上がりのない、一定の気持ちよさが、石川さんの写真を見ていると味わえるんです。
あの感覚は、くせになるな。
あと、その福島の作品の横に添えられていた言葉がとってもよかったんですが、写真撮れなかったので細部が思い出せず。メモればよかったと後悔。
いい1日でした。
レン・ハン【昨今のアートワールド】
悲しいお知らせです。アーティストの任航(レン・ハン)が、他界されたそうです。29歳だったそう。自殺と報道されております。
ヌード写真がタブーだとされる中国でヌードの作品を撮り続け、国際的な評価を得ていたアーティストです。
今となっては、彼がなにを思ってその人生を閉じたのかわかりませんが、生きている間に目にしたものは、作品を通して理解していくことができます。だからアートは素晴らしいなんて思いませんけどね。もし、彼がアーティストでなく、普通の人生を送っていたら、もっと長く幸せに生きられたかもしれないし。
何十億通りの「例」が示されているけれど、アートも生き方も、これっていう正解は未だに出ていません。たぶんこれからも出ません。
ただ、彼の作品が、美しく、ちょっと笑える雰囲気であることは、勝手な話だけどこれからを生きる私にとっては救いになります。
ご冥福をお祈りします。
エス・エヌ・エス【昨今のアートワールド】
エジプト人アーティストの Basim Magdy(バシム・マグディ?)の絵です。なんか、ちょっと10年ぐらい前のスタイルで時代遅れな感じはあるけれど、嫌いじゃない。
エジプトは、今どんな感じなんでしょうか。「アラブの春」や、「SNS革命」なんて言われてから早10年あまりが経とうとしています。その間に、ツイッターは潰れかけ、フェイスブックはユーザー離れが深刻な状況となっています。少なくとも私の周辺はそんな感じ。
やっぱりさ、広告主体のビジネスモデルなんていうもの自体が、時代にそぐわなくなってきているんだと思います。まじで、フェイスブック開いても、広告と、意識高いやつと、ニュースしか流れない。テレビのCM見続けているのとあんまり変わらない!! って話です。
オール・ジェンダー・レストルーム【昨今のアートワールド】
シグリッド・ホルムウッド【昨今のアートワールド】
オークション会社のまわしものみたいになっていますが、今日もクリスティーズのポストをちらり。
Sigrid Holmwood(シグリッド・ホルムウッド)という1978年に生まれた女性アーティストの作品。ものすごく古典技法に習熟したアーティストです。
彼女の絵は、まず古代の文献などを読み始めることからスタートし、科学者や考古学者などの専門家と一緒に、むか〜し使われていた塗料の製造レシピを研究することからはじまります。そして、絵の具をゼロから作り始めるのです。
美術は、目に見えないものや、見えにくいものを見えるようにする方法です。
科学者などの研究者といっしょ。今はどこにもないものを、作り出しているんでやんす。
この絵が、£4,000〜6,000(56万円〜84万円)で購入できるようです。お、買えるかも!!
そうなんです。今回の企画は、「ハンドピック」な作品たちを100個そろえているらしく、クリスティーズにしては手の届きやすい作品が多数出てくるらしいのです。
ギャラリー・レーベンブロイ【昨今のアートワールド】
ここは、今では綺麗なギャラリーになっていて、それこそ世界最高とまで言われる「Hauser & Wirth」が居をかまえているのですが、2000年に改装をしはじめた当初はこんな感じだったそうです。
ちなみに、ギャラリーになる前は有名なビール「レーベンブロイ」の醸造所があり、ここには巨大なビールタンクが置かれ、大量のビールが作られていたそうです。
で、このポストでは、日本でもわりと人気のあるピピロッティ・リストのことを紹介しています。いかに「Hauser & Wirth」が早くからピピロッティ・リストの作品を取り扱ってきたか。その見識眼を誇っているのです。それはまぁいいや。
問題は、ビールとアート。どちらがより多くの人を酔わせているのか。
たまには、こういう「それっぽいこと」を言ってみたくなるんです。でも、そんなことばっかり言っている中身のないオシャレ親父にはならないように配慮していく所存です。
プレジデント・デイ【昨今のアートワールド】
「大統領の日」という、私からしたら不思議な名前の記念日がアメリカにはあるようです。ニューヨークのニューミュージアムでは、その記念に、Raymond Pettibon(レイモンド・プッチボン)の作品をポストしています。歴代の有名大統領が出てきます。
ひさしぶりに「沈黙の艦隊」を読み直して、大統領っていうのは不思議だなぁと思いました。これだけテクノロジーが発達した現代においても、ひとりの人間の言動が中心となって世界が動いていくって、単純に不思議。
トヨタ自動車の現社長、章男さんが社長に就任された時とその以後も同じことを思ったのですが、これだけ巨大な組織であっても、トップの人の手腕や人格にここまで左右をされてしまうのかぁって。もちろん章男さんはすごくいい影響を会社全体に与えたわけなんですが。それにしてもここまで変わるかねって思いました。
もしかしたら、われわれは民主主義を発明した古代ギリシア時代からいささかも基本構造が変わらない世界に住んでいるのか〜? とか考えるんです。
それがいいのか悪いのかは知らん。でも、組織の指導的な役割がひとりの人間に依存したものだとすると、その権力から離れたものとしてのアートは今後も生まれる意味はあるだろうし、権力から離れているからこそ権力者に愛されるという現代アートの矛盾がこれからも続くのかなって。
大統領の日って、こういうことを考える日ということで合っているのかな??