コーバーグ【昨今のアートワールド】
昨日の「びじゅツアー」についてはまたちゃんと書くとして。本日は本日で風邪をひいております。喉痛み。熱はそんなになし。でも、体だるい。
Peter Doig(ピーター・ドイグ)というアーティストがいます。はじめて彼の絵を生で見たのは、六本木ヒルズのオープニング展「ハピネス」でした。もう10年以上前か〜。すごく好きなアーティストではないのですが、世界的な評価は高く、その後もちょくちょく作品にでくわしています。
今回、2大オークション会社の「クリスティーズ」にて、彼の1994年の作品「Cobourg 3 + 1 More」が売りに出されるそうですが、予想落札価格は£8,000,000〜12,000,000(11億〜16億円ぐらい)という価格。アートは、今、バブルであります。
ジョナサン・ヨー【昨今のアートワールド】
この絵、なんか好きです。写実的に描かれた絵って、技術的なメソッドが確立してしまった現代では評価が難しいものですが、これはなんかすごい。なんかすごいっていうアホな感想ぐらいしか出てこないのですが、許してください。
描いたのは Jonathan Yeo(ジョナサン・ヨー)。1970年にロンドンで生まれたアーティストです。「世界で最も重要な肖像画家」なんて言われているらしいです。肖像画家って職業が、この時代にあることに驚きですが。写真……。
この作品は、カーラ・デルヴィーニュさんというイギリスのモデルさんを描いた連作の1枚です。
そして、脈絡はないですが、明日は「びじゅツアー」です。お気軽に来てください。
ヨーヘン・セール【昨今のアートワールド】
なにかと話題の「曜変天目茶碗」。それが、売りに出されるらしい。まぁ、見るからにギラッギラな一品が、「サザビーズ」のアジアウィークで出品されるらしいです。
前々から「いいなぁ」って思っていた人は、トランクいっぱいに万札詰め込んで、ニューヨークへ向かいましょう! 税関には注意してね!!
しかし、あるところにはあるもんですね。日本では、国宝指定され、私設とはいえ美術館に収められているため、今後も市場に出てくることはまずないものですが、海外のコレクターさんというのは個人でこんなものを持っているようです。
でも、前々から思っているんですが、これでお茶を点てたら、見えないよね。中。しかも、ちょっと不味そうだよね、お茶。コーヒーの方が合うと思う!
ハナブサ・イッチョウ【昨今のアートワールド】
ボストン美術館が、江戸の絵師 英一蝶の「涅槃図」を広げて眺めております。
この、英一蝶はなかなか無茶苦茶な人で。最初は絵の才能があるということで狩野派の絵を学ぶんですが、浮世絵とかの風俗画の方が面白いといって途中で破門。で、当時のアングラカルチャーだった松尾芭蕉なんかと交流を持ちます。破門されたとはいえ才は抜群。絵を描いて、かなりの人気を得ます。で、稼いだ金を吉原で使い倒す。さらに、よくわからないけれど「幇間」といって、遊郭で芸をする芸人さんがいるんですが、それも始める。お客さんだったのに、いつの間にか芸人になっていたみたいです。
とにかく、アングラカルチャーとお笑いが大好きなタイプの人間。いますよねこういう人。
まぁ、あんまり怖いものや恐れを知らない性格だったので、途中で2か月ほど牢獄に入れられます。そのあとも、生類憐みの令が出ていたのにもかかわらず、釣りを楽しんだがために、島流し(他にもいくつかの罪状が重ねられている)。11年も三宅島で過ごしていたそうです。
そんな人が描いたブッダの絵が、今はアメリカのボストン美術館で多くの人に見られているんです。
ユン・オン・ツワイナー【昨今のアートワールド】
世界最高峰のギャラリー「David Zwirner」のシニアパートナー Christopher D'Amelioが、新しい展覧会のレセプションで熱く語っています。
内容は、今回の主役の尹亨根(ユン・ヒョンクン)が、アメリカの伝説的アーティスト Donald Judd からいかに影響を受けたのかというお話。
ここまでしかっりと、自分たちが売っているものを語れるというのは、どんな商売であっても必要だし、すごいことです。
シグマー・ポルケ【昨今のアートワールド】
本日は、大好きなドイツの画家 Sigmar Polke(シグマー・ポルケ)の誕生日でした。おめでとうございます!
1941年に生まれたそうなので、生きていれば76歳。じゅうぶんに生きている可能性もある年齢ですが、残念ながら7年前に彼は他界しています。
今の時代に、後世に残すべきものがあるとするなら、ポルケの絵はそのひとつだと思っています。
はじめて見たのはウィーンの美術館。生で見たクリムトの絵の衝撃が大きすぎて、他の作家の作品がまったく心に刺さらなかったのに、ポルケだけはまったく異なる、でも同じぐらい大きな衝撃があったのを覚えています。
アートの価値は、作家の死を最初の一区切りに、乱高下することが多いです。ポルケは死後7年を経て、今もなお最高峰のギャラリーに並べられています。もし値崩れすることがあったら、買い占めたい!
マメドリアン【昨今のアートワールド】
日本のアパレルブランド「mame」さんが、ペースギャラリーでAdrian Ghenie(エイドリアン・ゲニー)を見ている。という、私にとってはひたすらに羨ましい状況。
生エイドリアンは、価格が高すぎて、日本の美術館ではなかなか手が出ないと思います。というか、世界中の美術館が、なかなか手の出せない価格になっています。たぶんこの作品も7,000万円前後はすると思います。どうだろ? 安くても、4,000万円はしているはず!(置きにいく)
最近はそんな状況で、公的な美術館よりも収集能力のある個人がわんさかいるので、いい作品はどんどんプライベートなスペースに流れていきます。それはそれですごくいいこともありつつ、私のような、ペヤングソース焼きそばの大盛りをたまに食べている人間にとっては、ちょっと不満もあるわけです。
アート市場は、完全なるバブル! なんだけど、アートがバブルでなかったことなんてここ数十年ないわけで。一時的に値が上下することはあっても、ペヤング食ってる人間にはなかなかハードルの高いものだなぁ。と思っています。
mameさんは買えるんかな? ドキドキ。このアパレル不況に、これを買えるほど売れていたら、驚愕の一言です。
ザ・キス【昨今のアートワールド】
アート業界は意外と年中行事を大切にしています。バレンタインも例外ではない。
このポストは、あの有名なロダンの代表作のひとつ「接吻」を、スイス生まれの Urs Fischer(ウルス・フィッシャー)というアーティストがもじった作品です。バレンタインにふさわしいということで。
最近は、こうやって過去の超名作を、現代バージョンでつくるのがとにかく流行っている感じ。これって、いいのかな。リメイクばっかりやっていると、日本の映画業界みたいになっちゃうぞ! という、多方面に喧嘩しか売らないことを言ってみる。
エル・エー・クリスティーズ【昨今のアートワールド】
ハッピー・バースデイ・リヒター【昨今のアートワールド】
本日は、Gerhard Richter(ゲルハルト・リヒター)の誕生日です! ハッピーバースデイ!!
リヒターは、名前の通りドイツ人。1932年に東ドイツで生まれ、まだベルリンの壁ができる直前に西ドイツへ渡りアートを学びました。
リヒターの作品は、「フォト・ペインティング・アンド・ブラー」、「アブストラクト・ペインティング」、「カラーチャート」、「グレイペインティング」、「鏡とガラス」などのいくつかのシリーズのかたちで展開されています。
このポストはさすがのサザビーズ。もの凄くリヒターの作品をわかりやすく撮影しています。中央の絵が「アブストラクト・ペインティング」。キャンバスに絵の具をドバッと流し、大きなゴムベラでベターっと撫でて描かれた絵です。そして、横の人物。画像では、シャッタースピードの関係でボケています。リヒターの「フォト・ペインティング・アンド・ブラー」は、こんな風に動きの形跡がそのまま形になっていたり、ピンボケしていたり「写真でしか見ることのできない現実」を、絵で描いています。
ちなみに、このポストに出ている絵のシリーズで、Abstraktes Bild (809-4)という作品があるのですが、この作品はもともとエリック・クラプトンが所有しており、2012年にサザビーズのオークションにかけられた際には、当時のレートで約26億9000万円というとんでもない価格で落札されました。これは、存命するアーティストの絵画作品の価格としては史上最高価格です。