くま美術史

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小学生が描く、すさまじい電車の話【1日1品】

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建築の話をしてきました。


三軒茶屋に「るくぜん」という整体鍼灸院があります。

luxen.jp

 

ここの難波さんが、月に1、2回。多いときはもうちょっとのペースで、いろいろなワークショップをしています。

この夜は「よるくぜん」という企画の第一回目。

「建築」について、お酒でも飲みながらみんなでお話ししましょう。という趣旨。

難波さんと、参加者の「はと」さんという方の2人は目が見えないので、目の見えない人が住んでいる家をテーマに、家ってなんなんだろう?ってことをわいわい話す会でした。


まぁ、いろいろ面白い話が出たのですが、中でも面白かったのが小学校1年生の男の子。

この子はご両親と一緒に参加し、開始30分後には爆睡。

夜だしね。

首から下げた新幹線が描かれたストラップとパスケースを大事そうに抱えながら寝ておりました。


お母さんに、「この子は新幹線が好きなんですか?」と聞くと、「電車全般好きですね」とのこと。

「電車の絵は描きますか??」と聞いたら、「描くんですけど、ちょっと変わっています」と言う。

どういうことかと聞いたら、電車の絵を描くというと、自分が電車になりきって、感じたものを絵に描くんだそうです。

風とか、スピード感とか。

だから、パッと見では電車はどこにも描かれておらず、勢いのいい線が、ビュッと描かれていたりするだけ。

これが、小学校1年生の彼にとっての「電車の絵」なんだそうです。


すごい話を聞けました。

これはむちゃくちゃ面白いな。

表現の「極意」みたいな話だなと思いました。


それを聞きながら、全く関係ないけれど Helen Marten(ヘレン・マーテン)の作品を思い出しました。

いや、本当にこの話とは関係ないんですが。

本日の1品は「Guild of pharmacists」

 

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ヘレンさんは、ここ最近は本当にご活躍のアーティスト。

アナログな素材を、デジタルな表現に置き換えていると言われる表現方法。

どこにであるようなものを集めて、ドラッグ・アンド・ドロップ、圧縮・解凍、クラッシュ、再起動をしているとのこと。

これはこれでおもしろいけれど、本日は小学校1年生の電車が勝る。

自分が電車になれるなんて。

世界中のアーティストも裸足な凄いことですわ。