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くま美術史

くま美術店の公式ブログです。するりとわかる美術史や、笑える美術の展覧会情報などをお届けしていきます。公式販売サイト「くま美術店」http://kuma-bijutsu.jp/

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー【昨今のアートワールド】

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イギリスの至宝 Joseph Mallord William Turner(ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー)の誕生日です。パチパチパチパチ。1775年に生まれたそうですね。

 

ターナーは説明不要の巨匠! って言えるほど、すごく一般的な名前でもないし、でもなんとなくみんな聞いたことあるような気もするし。教科書とかにも出てはいるんですが、一般的によく出てくるような名前ではないって感じでとっても微妙な立ち位置の巨匠です。

 

イギリスという国は、現代アート主流の今でこそ優秀なアーティストを多数輩出していますが、それまではヨーロッパ諸国から「イギリス人は絵が下手」とバカにされ、その鬱憤を戦争で晴らすというとんでもない国家でした。(これはただの妄想なので絶対に真に受けないでください)

 

そこへ18世紀の終わりにターナーが誕生。圧倒的な描写力、今までにない斬新な技法、輝くような色彩。イギリスが、歴史上初めて文化的に花開くきっかけとなったのがターナーなのです。(間違っているとは思わないけど、あくまで妄想ですから)

 

だから、まぁ、とにかくターナーはイギリスの至宝であり、プライドなんです。ハッピーバースデイ!

ルナ・イスラム【昨今のアートワールド】

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バングラディッシュではなく、バングラデシュと呼んでいます。「温玉です」と同じ発音で。

 

Runa Islam(ルナ・イスラム)という、バングラデシュ出身で、その後イギリスに移り住んだアーティストであり映画監督でもある女性の作品です。1970年に生まれたらしい。若いイメージでしたが、意外と年上で驚きました。

 

この展覧会は、とにかく市井に生きるふつうの人々をストレートに写しているアーティストの作品を集めましょうというコンセプト。ルナはまさにそういった作品をたくさん作っているので、うってつけです。

 

バングラデシュと聞いて、即座に世界地図の中でどの位置にあるか浮かぶ人は少ないと思うんです。ミャンマーの左、インドの右です。ほぼ、インドに囲まれた地域。あまり知られていませんが、日本から一番距離の近いイスラム教の国です。いや、インドネシアの方が近いのか??

 

意外と近いけれど、すごく遠くにある印象の国です。距離も、文化も、宗教も。でも、すぐそこにあります。

ロニー・クヴェドー【昨今のアートワールド】

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体育感。

 

1981年にエクアドルで生まれた Ronny Quevedo(ロニー・クヴェドー)の作品です。今はニューヨークに住んでいるそう。

 

この線は、バスケットボール、サッカー、バレーボール、ハンドボールと、今住んでいるニューヨークで移民の人たちが毎日行なっているボールゲームを図解して、組み合わせたものだそうです。

 

なんのこっちゃよくわかりませんが、とにかくあれだ。かっこいい。

 

アナログなことをしているようですが、考え方としては diagrammatic language つまり、図解記号(って訳せばいいのか?)をもとにして、スポーツの持つグローバルな感じと、小さなコミュニティの感じの両方を作品にしましたという、わりとプログラミング的な作品です。

 

この説明もなんのこっちゃわからん感じには仕上がっております。

マルレーネ・デュマス【昨今のアートワールド】

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「好きなアーティストは誰ですか?」って聞かれることはあんまりないので、自分から言いますね。

 

Marlene Dumas(マルレーネ・デュマス)は、本当に大好きです。1953年に南アフリカで生まれ、その後オランダに移住した彼女。作品はアパルトヘイトLGBTなど「人種や、性差への社会の不寛容」をテーマにしており、キャンバスを床に置かれたキャンバスに、水と油で溶かされた絵の具を垂らしたり、こすったりすることで描かれています。描かれるのは人物がほとんど。身近な人も多いですが、新聞や雑誌で紹介される人々を切り取って絵にしています。

 

はじめて見たのはいつだったか。たぶん、大学時代に東京都現代美術館で大規模な個展が開かれた時だったと思うのですが、この時代になっても、キャンバスと絵の具だけでここまで表現できるってことが衝撃で衝撃で。

 

でも、同時に南アフリカの女性アーティストというある意味での、強い社会性を持った人間として生まれている「才能」みたいなものを強烈に感じました。社会性って、ふつうの幸せを当たり前に享受して育った私のような人間が言っても弱いんだろうなってその時も今もずっと思っています。

 

とにかく、デュマスが元気に絵を描いて、発表を続けていることはアートの業界全体にとって朗報です。

ボスコ・バーティカル【昨今のアートワールド】

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日本人の写真家 石川直樹さんがイタリアのミラノで新しいプロジェクトを始めるそうです。

 

それにしてもすごいビルだな。自然を意識した結果、どんどん自然から遠ざかっていく感じがいいですね。

 

このビルは「Bosco Verticale」という建物。デザイナーは、Stefano Boeri(ステファノ・ボエリ)さんという1950年にミラノで生まれ、今もずっとミラノを拠点に活躍されている建築家さんです。また、都市のプランナーという肩書きも持っており、廃れた汚染のひどい港を再開発したり、環境負荷のすくない住宅の設計をするなど、いい人です。豊洲に欲しい人材。

 

それにしても、この写真の色のすごさよ。さりげなくDHLのバンを入れて、全体のトーンをきっちり整えてしまうあたりが才能なんだろうなと思います。このバンのありやなしやで、印象がまったくちがってくるんでねえかと思います。

ジャパニーズ・ポップ・アート【昨今のアートワールド】

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アートのウェブメディア「artnet」が、そのサイト上で行なっているオークションで、草間彌生村上隆奈良美智などの伝説的な日本人アーティストたちがフューチャーされています。

 

ちょうど草間彌生欲しかったんだよね〜という軽い気持ちで購入できるので、希望される方はググってみてください。

 

いや、あのー。これだけアジアの緊張感が高まって来て、イギリスはまた総選挙するとか言っている中で、アホみたいに毎日毎日アートアート言い続けているのってどうなの??って思われる方もいると思うんです。ぶっちゃけ、日本人アーティストのことより、現在進行形で表現の自由が一切ない北朝鮮国民のことを考えろよって意見もあるかと思うんです。

 

それに関しては、まったく正論で、ぐうの根も出ないところではあるんですが。

 

でも、アートマーケットがきちんと機能してるってことは、一部ではあるけれど表現の自由が確実に守られている証でもあるんです。だって、今も昔もアートマーケットは新しい表現者の、新しい作品が欲しくて欲しくてしようがない人が集まっているから。今までにない思想を持った人が、まったく見たことのないものを作った時に、アートマーケットは動き出します。

 

これを動かし続ける意味は、やっぱりあると思うんですよね。

ムンク【昨今のアートワールド】

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ムンクがこんなに可愛いってご存知ですか?

 

Edvard Munch(エドヴァルト・ムンク)といえば、日本の教科書にも絶対に出てくる巨匠中の巨匠ですが、「叫び」のイメージが強すぎて怖い絵を描くと思われがちな気がします。

 

そんなことない。ムンク=カワイイです!!

 

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今、ノルウェーオスロにあるムンク美術館で開催中の展示「EMMA & EDVARD - LOVE IN THE TIME OF LONELINESS」がすごくいいらしい。

 

ムンクの絵画と、映像作品がセットで展示され、この時代の中でムンクをあらためて評価しましょうってことになっているようです。

マリア・アイヒホルン【昨今のアートワールド】

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意味のある仕事。

 

仕事に意味を見いだすことって、意外と難しいです。最近、よく聞くのは「社会性」って言葉ですが。まぁ、これは、すごく雑でテキトーな言葉だと思っています。

 

だって、万人に共通する「社会」なんてものはどこにもないです。群馬県の田舎と、東京の丸の内が、同じ社会問題を抱えているわけがないんです。全く違う問題の中で生きている。社会なんて、どこにもないんです!!

 

それでも、Maria Eichhorn(マリア・アイヒホルン)の仕事は、とっても社会的に意味のある仕事だなって思っています。

 

彼女は、ナチスに略奪された美術品などの情報を、膨大な文献を探ることで、歴史の中で埋もれ、未解決となっている問題を丁寧に解き明かしているというアーティストです。

 

アーティストなんです。この画像は、彼女の展示風景の様子です。

 

ある意味の狂気〜! そして強い社会性〜!

アウグスト・ザンダー【昨今のアートワールド】

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久しぶりに書きますが、美術は、見えないものや、見えにくいものを、見えるようにする方法です。

 

だから、最近の画像加工文化は、ある意味正解というか、まっとうなことだと思っています。

 

私がよく見るのはグラビアアイドルとか、アダルトビデオの女優写真ですが、当人とは大きく異なる見え方に加工をされているけれども、それはそれで「男性の考える理想的な女性像の見た目」というすごく複雑なものを表現していると考えれば、加工はあり。

 

ただ、どんなに加工しても、この方の写真に出てくる人物の魅力には遠く及ばないんです。

 

1876年にドイツで生まれた August Sanderアウグスト・ザンダー)は、人物を撮影することで社会を記録することを目的に、普通の、そこらへんに暮らしている人々を撮影し続けました。

 

ポーズも、エフェクトも加えず、そのまま撮るというシンプルなスタイルで撮影された当時のドイツの労働者のきらめき。

ハマナカ・タクジ【昨今のアートワールド】

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葛飾北斎の「富嶽三十六景」のうち、この「神奈川沖浪裏」を一度も見たことがないよって人はほとんどいないんじゃないでしょうか。

 

まぁ、それはいいんです。みんな知っている素晴らしい絵。私も知っています。

 

そうじゃなくて、今回、オークション会社の「Christie's」は、この北斎の作品がどのように作られたのかを、日本人アーティストの浜中卓治さんと解き明かすという試みをしています。

 

でね、何がすごいと思ったのかというと、インスタグラムのポストにここまで高いレベルで撮影された動画を持って来ているってことです。

 

本気が見える。自分たちが売る商品に対しての、最大限の興味と敬意が、このSNSのポストひとつから見えてくる。

 

それがすごいよねって話です。