セレステ・デュプシー・スペンサー【昨今のアートワールド】
今日はベルリンの有名ギャラリー Galerie Max Hetzlerのポストを。
アメリカの若手作家 Celeste Dupuy-Spencer(セレステ・デュプシー・スペンサー)の絵が紹介されています。
このアーティストは、セザンヌの絵画技法を研究して、アメリカ人の肖像画を描くことを得意としています。
絵が下手なのはセザンヌ的だから。ハッハー! アメリカンジョーク!
(ちなみにこのアーティストは下手じゃないです)
えー。アメリカという国は、今、トランプが政権を取り、排他的な政策にシフトをしています。でも、そもそも、アメリカが排他的な政策を取るなんて、自己否定もはなはだしい。あそこは、ひとつの国に見えて、たくさんの小さな国の集合体のようなものなので、他文化を排除していったら、国が分裂するしかない気がする。
まぁ、いいや。
その、対外的な問題もさることながら、アメリカでは農村部と都市部のあらゆる点での格差や差異が問題となっています。ここらへんは中国と本当によく似ている。そんで、現代のアートの中心はアメリカのニューヨークです。アーティストの数も、ギャラリーの数も、桁違いに多く、流通する作品の量や質が段違いに高いです。
めんどくさくなってきたので平たくいうと、世界のアートはちょっと前までアメリカの都市部へ向けて作られていました。ざっくりいうと。そうなると、アメリカ農村部がテーマになっている作品って実はあんまりなかったんです。アートにも、純然たる地域格差があったんです。
でも、最近は、もっとアートの表現やテーマに多様性があるべきだという認識が一般的になり、途上国とか、アジアとか、中東とか、ゲイとか、また、アメリカの農村部とかをテーマにした作品が、世界の表舞台で脚光を浴びるようになってきたのです。
だいぶ大雑把な説明だけど、だいたいそういうこと。
その、代表格の1人が、このセレステさんだっていう話です。
このブログは、昨今のアートワールドなんて、大それたテーマで書いているのですが、つまりここらへんをちゃんと説明して行きたいなと。
アートっていうのは、昔は神様を作っていたし、その後は王様を描いていた。ただ、最近は、富からも権力からも離れている部分がつくられることが多くなり、それは、アートの歴史の中では革命的であり、すごくいいことだなって思うんです。
つまりそういうこと。これについては今後も書いていきます。