テレフォン・オークション【昨今のアートワールド】
またもやオークション会場の様子をどうぞ。
今生きているアーティストの中で、平面作品の最高価格がつく作家。ドイツの Gerhard Richter(ゲルハルト・リヒター)さんの作品が競られている会場なのですが、異常な熱気。
なにより、もっとも注目していただきたいのは、参加者の多くがコードのついた旧式の電話を使っているところ。
これは、実際に購入する人は、顔を出したくなかったり、忙しかったりで会場に来られないため、代理人をたて、リアルタイムで電話越しにオークションに参加しているという様子です。
なぜ、電話! しかも、コードのついた古い電話。この時代なのだから、いくらでもオンラインの競売システムなど作れるでしょうが、サザビーズもクリスティーズも、高額なオークションに限ってはそんなことしない。理由はたぶん、味気なくなってしまうからでしょう。
オークションへの参加は、それそのものがエンターテイメントです。クリックひとつで購入するよりも、最も原始的なコミュニケーション手段である声を使って、会場の空気を少しでも感じ、楽しんで欲しいという配慮でしょう。
それでも、コードレスの電話でいい気もするけどな