くま美術史

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ハナブサ・イッチョウ【昨今のアートワールド】

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ボストン美術館が、江戸の絵師 英一蝶の「涅槃図」を広げて眺めております。

 

この、英一蝶はなかなか無茶苦茶な人で。最初は絵の才能があるということで狩野派の絵を学ぶんですが、浮世絵とかの風俗画の方が面白いといって途中で破門。で、当時のアングラカルチャーだった松尾芭蕉なんかと交流を持ちます。破門されたとはいえ才は抜群。絵を描いて、かなりの人気を得ます。で、稼いだ金を吉原で使い倒す。さらに、よくわからないけれど「幇間」といって、遊郭で芸をする芸人さんがいるんですが、それも始める。お客さんだったのに、いつの間にか芸人になっていたみたいです。


とにかく、アングラカルチャーとお笑いが大好きなタイプの人間。いますよねこういう人。

まぁ、あんまり怖いものや恐れを知らない性格だったので、途中で2か月ほど牢獄に入れられます。そのあとも、生類憐みの令が出ていたのにもかかわらず、釣りを楽しんだがために、島流し(他にもいくつかの罪状が重ねられている)。11年も三宅島で過ごしていたそうです。

そんな人が描いたブッダの絵が、今はアメリカのボストン美術館で多くの人に見られているんです。