セルフポートレイト・ノナ【昨今のアートワールド】
これは、Nona Faustine(ノナ・ファスティン)というアーティストの作品です。
写っている裸の黒人女性はノナ本人。
すごすぎるエネルギー。
この建物は、Tweed Courthouseという昔の裁判所で、William M. "Boss" Tweed(通称「ボス」)という政治家の指示のもと作られました。
このボスは、アメリカ史上、最も腐敗した政治家として名前が知られています。
この裁判所を建てる公共事業で、巨万の富を築き、この建物(正確には完成前)で裁判にかけられたというドラマチックな人物。
もちろん悪人。
そして、ボス亡き後もこの建物では、多くの裁判が行われます。
その中の多くに、黒人がいて、ここで投獄や死刑を宣告されました。
今は歴史的建造物として残されているこの建物の前で、撮られた作品。
ノナはこのように、アメリカと黒人の歴史や文化に関係の深い場所で、自分のヌードのセルフポートレイトを撮影しています。
ノナの他の作品もこちらから見ることができます。