タカシ・ムラカミ【昨今のアートワールド】
村上隆さんという人のことを、僕はだいぶ尊敬しています。
はじめて彼の作品を見たのは、うちの父が買ってきた「美術手帖」でした。
「DOB君」がでかでかと描かれ、「これはなんだろう?」と思っていた中学生の僕に、父は「これが新しい絵のかたちなんだよ」というようなことを言っていました。
その数年後、僕が高校生になったころには、彼はアートシーンのど真ん中にいて、「BRUTUS」で奈良さんといっしょに特集され、それを僕は実家のある中之条の「TSUTAYA」で買って隅から隅まで読んだのを覚えています。
大学生のときには「GEISAI」に行って講演を聞き、ティーシャツを買いました。
いつのまにか、ただのファンになっていました。
でも、よくわからないけれど「村上隆は嫌い」というようなことをいう人も大学の中には大勢いて。
それ以上に世間にはとんでもない数で「アンチ村上隆」というような人がいて。
その主な理由は「ビジネスに寄り過ぎているから」というようなことで。
「それだったらビル・ゲイツも同時に批判しろよ! 慈善活動家っぽいビジネスマンは讃えられ、ビジネスマンっぽいアーティストは嫌われるって、そりゃおかしいだろう! 」と思っていたけれど、芸術とはなんなのか定かなものをまるで持っていなかった僕には反論できる言葉もなく。
賞賛も、批判も、脚光も、罵声も同時に浴びている村上さんのことをただただ尊敬の眼差しで遠くから眺めていました。
だから、去年、六本木の「森美術館」で大規模なショーが開かれた時に、友達数名を無理やり連れて行って「この人すごいね」って感想をもらった時には、自分が褒められる以上になんか嬉しくて、誇らしい気持ちになりました。
同じ時代を生きることができて本当に光栄です。
羽生善治と、村上隆が生きている国に生まれたことは、古代ローマでカエサルとすれ違ったことがあるぐらい、すごいことだなと思っています。
そんな、村上隆さんが、アニメをつくったそうです。
未完成ですが、テレビ放映をするそう。
どんなアニメかは、まだわからないけれど、このポストに書かれた文章はものすごくいい!!