くま美術史

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夢と希望のある話【1日1品】

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「芸術家」と聞いて最初にイメージするのはどんな人ですか?

おそらく、ヒゲが生えた男性で、貧乏。

好物はトウモロコシとキュウリで、何色だかわからない色のシャツを着ている。

常に遠くを見ていて、気難しく、そして、貧乏。


なんとなくこんなイメージではないでしょうか?


ぜんぜんちがう?

知らんし。

これで進めます!


Rose Wylie(ローズ・ワイリー)は、まさにこんなイメージのイギリス人女性アーティスト。

ずーっと貧乏で、でも、好きな絵を描き続けていました。

ただ、彼女が多くの売れない貧乏画家と違ったのは、売れたことです。

売れたんです。

驚異的に。


それまでの彼女は、本当に貧乏で、お金がないから家で絵画教室を開き、その生徒たちを庭でキャンプさせて収入を得ていました。

いつも同じ服を着ていて、「どうして?」と聞かれると、「私は非消費的なライフスタイルだから」と言っていました。


1934年に生まれて、75歳になる2009年まではそんな感じ。

2009年に、大きなコンペティションのファイナリストに残ると、そこからは一気にスターダムを駆け上がります。

いや、まじで。

それまで無名の貧乏画家だったとは信じられないほど、非現実的な活躍。

ナショナル・ミュージアムの女性画家のための展覧会に、ただひとりアメリカ人以外で選ばれ、母国のテートモダンで個展を開きます。


本日の1品は「UNION5006」

 

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かわいい 笑

「美味しいお肉が甘いように、よいアートはかわいい」というのは、よく言われるアートの真理です。

 

これもかわいい!

 

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ちょっとかわいすぎるから、もうちょっと貼りましょう。

 

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そりゃ売れないわって気もするし、売れて当然だなって気もします。

どちらにしても70オーバーで売れだすなんて、夢があるわ。