考えるための鍋たち【1日1品】
本日はサウジアラビアの女性アーティスト、Maha Malluh(マハ・マルー)さんをお届けいたします。
その前に、私事ですが、いや、ブログなんだからほとんど私事なんですが、風邪をひきました。
久しぶりの風邪で、とまどっています。
といっても、熱があるわけではなく、ひたすら咳と鼻水が出る。
2日間で、ティッシュを1箱つかっています。
戻ります。
本日の1品は、マハさんの「Untitled (Food for Thought series)」
無題だけど、考えるための器シリーズというサブタイトルがついています。
すごくシンプルな作品で、壁に、使用されていたアルミの食器がたくさん吊るされています。
これは、イスラム教の聖地であるメッカに、ずっと昔から吊り下げられていた詩と、イスラム圏の生活の中ではどこでもふつうに使われているアルミの食器を、つなげている作品です。
当然、私はイスラム教徒ではないので「あぁ、あれね!」とはなりませんが、なんか見ていると背筋がピンと伸びるような作品です。
現代に入って、身近なものを作品の材料にするアーティストが増えました。
その理由は
○ アートが王様や貴族の手から離れ、一般市民がふつうに楽しめるものになったから
○ 大量消費社会となり、あらゆる場所がもので溢れているから
○ マルセル・デュシャン先輩が道を切り開いたから
などなど、です。
アートは、誰のために、何を表現するのかで、材料も、かたちも大きく変わってきました。
でも、こうやってかたちにしてみると、なんか、思想とか宗教とかぜんぜん違うはずなのに、けっこう同じようなことやっているんだなって思います。
それ、いいことだよね。