紙媒体か、Webかとか、そんな小さいことはどうでもいいのです【1日1品】
本好き。
本というメディアに、特別な愛を寄せる方々が多数います。
紙の本に、原理主義的な、特別な意味を見出すような変な人種がそこかしこにいるのです。
そんで、日本だとあまり馴染みがないですが、海外では「アーティスト・ブック」と言われるものがあります。
最新の言葉では「Zine」ですかね。
大量に印刷された本ではなく、ひとりの人間が、1ページづつ手作りで加工し、本のかたちにしたものです。
絵を描いたり、詩を書いたり、写真を切り取って貼ったりと。
特に「アーティスト・ブックとはこうである!」みたいなものはないので、みんな自由に作っています。
で、このアーティスト・ブックの原点と言われるのが Dieter Roth(ディーター・ロス)です。
ロスは、ドイツ人の両親のもとで1930年に生まれ、1998年に亡くなっています。
ちょうど第二次世界大戦中に少年時代を迎えたため、スイスに避難し、そのままずっとスイスで生活をし、アーティストとして活躍します。
スイスを代表するアーティストといえば、ロスと言われているので、スイス人に会ったら聞いてみてください。
で、まぁ、アーティスト・ブックね。
こんな感じですよ。
でも、これは本日の1品じゃございません。
ようするに、なんでロスは、ふつうに絵を描くのではなく、本のかたちで表現したのかというと、言いたいことや、やりたいことがありすぎて、1枚の絵に詰め込めなかったからです。
とにかくこの人の人生はパワフルで、新しいアートの形をどんどん開拓し続けました。
その最終形態が本日の1品。
「Björn Roth / Oddur Roth / Einar Roth」
バーです。
ギャラリーの中にバーをつくりました。
もう、本の編集では飽き足らず、人の人生を編集しはじめたのです。
ガラクタを集めてきて、酒を並べて。
かっこいい。
これはかっこいいですわ。
紙か、Webかとか、そんな小さなことはどうでもいいのです。