現代美術あるある、なにが描いてあるのかよくわからない問題【1日1品】
ストレートに見えて、ギュンギュンに曲がるスライダー。
中国人の現代アーティストが国際的なアートの舞台に出てきたのはここ15年ぐらいのことかなぁと思います。
それまでにもポツポツはいましたが、今のようにどこのギャラリーでも中国人アーティストを大々的に売り出し、アイ・ウェイウェイのようなスターを誕生させるなんて、ちょっと想像できませんでした。
まぁ、私、15年前は中学生だったので、そもそもなんも知らないし、想像できないんですが。
チャイナパワーにびっくりだよねって比喩的な表現です。
そのくらいすごいんですよ。アート界での中国パワー。
で、国際的な舞台で活躍する多くの中国人アーティストに共通するのが「政権批判」。
共産党一党独裁。未だに政治犯とかをばんばか投獄させている全時代的な国をディスりまくった作品だらけ。
強烈で過激でキッチュでファンキーな表現のオンパレードなのですが、张恩利(Zhang Enli)は世界の第一線で活躍しながらも、他のアーティストとはちょっと違う感じです。
張さんは、あんまり感情的なことは描かずに、たんたんとそのものを描くのが特徴。
本日の1品は「Bucket 8」(バケツ 8)
バケツです。
他にも
ボールです。
ゴムチューブです。
カーペットをそのまま描いてみました。
と、やりたい放題。
よく、「現代美術はなにが描いてあるのかわからなくて、よくわからない」と言われますが、そんなことはありません。
なにが描いてあるのかわかっても、ほら、こんなによくわからない。
というか、逆に!
逆にすごいですよね。
他の人たちが、政治批判の過激なパフォーマンスを繰り広げる中、張さんはひとり黙々と「そのまんまの絵」を描き続けている。
そりゃあすげえわ。
あ、もちろん張さんも、世界レベルで大活躍なアーティストです。