個性がなくても美術はできるのか【1日1品】
この禿げたおじさん。
名前は Jim Hodges(ジム・ホッジズ)。
アーティストです。
1957年にアメリカで生まれ、以降ニューヨークを拠点に活動してきました。
い、以上。
彼については、生まれも育ちも一般的ですし、アーティストだということをのぞけばそこまで個性の強い人物ではありません。
戦争や、貧困や、人種差別や、その他たくさんの不幸とも、一定の距離を置いて暮らしてきました。
有象無象の強烈なキャラクターが跋扈する美術界においては、極めて「一般的」な人って感じです。
困るんですわよねぇ。
背景に、ストーリーがないから、どう書いていいのかわからない。
「無個性という個性」といえるほど、没個性的でもない。
ただ、とにかく、この作品はいい。
本日の1品。
Untitled (one day it all comes true)
これ、デニムと糸でできています。
大量のデニムと糸を、壁に直接固定。
空を描きました。
ほら、下の方がデニムっぽいですよね。
うむ。
あと、この作品も好き。
岩、ピカピカ。
でもやっぱり、このふたつの作品からは、ジム・ホッジズさんの「人となり」みたいなものが見えてきません。
いろいろな意味で、没個性だけど、なぜだかいい作品だなって思える、めずらしい美術作品です。
丁寧さがいいのかなぁ?
強烈キャラクターな人たちだらけの美術界で、あまり個性の主張がなく、ずっと第一線で活躍しているって、逆に恐ろしい気もしますね。