くま美術史

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ゆる和尚のぐんにゃりした世界【1日1品】

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ふざけてはるわ〜。

 

本日は、丸の内の出光美術館にて「大仙厓展 ー禅の心、ここに集う」を見てきました。

 

最高でした。

 

仙厓さんは江戸時代中期の1750年に美濃で生まれ、若い頃から寺で修行し、なかなか立派な坊さんになりました。

 

当時の坊さんは、仏教の教えを絵や詩文にして広めたり、教えたりすることが一般的だったようです。

中でも仙厓さんは絵が好きで、かなりの数の作品を残されています。

 

どの作品も、仏の教えを具体化しているだけあり、とてもスッキリとした光を帯びておりました。

「この世の物とは思えない美しさ」というのは、過剰な表現だと思っておりましたが、いやいや…

仙厓和尚の作品にはそんな言葉がぴったりだなと実感いたしました。

 

では、ご覧ください。

本日の一品は「坐禅蛙画賛」。

 

こちらです。

 

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ね。

ふざけているでしょう?

 

笑わせにかかっているでしょう?

カエルですよこれ。

 

なんなんこの目。

 

エロい目やんけ。

 

しかも、カエルというのは尊い存在だから絵にしているのかな?と思っていたら、違うんです。

この絵は、カエルをディスるために描かれているんです。

 

「カエルというのは、坐禅を組んだような格好をしているけれど、決して悟りを開くことはない。カエルは一生カエルのまま。形だけの坐禅をし続けても、意味はないんだよ」

 

という意味が込められているのです。

カエル、ディスられています。

 

これでも足りなかったのか、カエルを並べてディスりまくった作品もありました。

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カエル……

 

この他にも名品だらけ。

厳かな雰囲気の出光美術館が爆笑でつつまれているような会場でした。

 

あー、笑った笑った。