技術を押し広げたのはアーティストの情熱だった【1日1品】
最先端の科学力ぅぅぅ!!
リリアン・シュワルツというアーティストがいます。
1927年にアメリカで生まれ、世界ではじめてコンピュータを使用したアーティストとして、美術の世界のみならず、科学の世界でも尊敬をされているアーティストです。
大恐慌の時代に、泥や、棒、チョークなど、無料の素材でアートをつくることを試みるなど、とにかく探究心が旺盛な性格だったようです。
また、看護の勉強をし、占領軍の従軍看護師として、ヒロシマやナガサキに滞在しています。
ポリオの予防に尽力したそうです。
その後はアメリカに戻り、持ち前の探究心でポンプやライトボックスをつかった作品の制作を開始。
その頃に「 Experiments in Art and Technology (E.A.T.)」というグループに参加し、コンピューターをアートに使用する研究を始めます。
初期の頃は自分の作品を作るのではなく、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を研究しました。
当時最先端であった画像処理技術を使い「モナリザ」と「ダ・ヴィンチの自画像」を重ね合わせて、このふたつが非常に似ていることをつきとめました。
こちらがその画像です。
確かに似ている。
アーティストの持つ「パーソナリティ」が、作品にどう反映されていくのかの研究だったようです。
1968年からは本格的にコンピューター言語を学び、科学者やエンジニアと協力して、画像処理ソフトの原型のようなものを作成し、オリジナルな作品を作っていきます。
本日の1品は、1973年につくられた最初期のデジタル映像作品「Mutations」です。
今見てもセンスある。
これを、専用ソフトのない時代に作ったなんて。
情熱がすごすぎる。