東洋の思想と、西洋のアートが…出会ったぁ【1日1品】
フォーエバー仏教。
私、知りませんでした。
不勉強でホントすみません。勉強します。
本日は、Agnes Martin(アグネス・マーティン)というカナダで生まれたアメリカの女性アーティストなのですが、彼女は、鈴木大拙さんから多大な影響を受けていたようなんです。
鈴木さんは、1870年に日本で生まれ、禅についての著作を英語で著し、日本の禅文化を海外に広くしらしめた仏教学者(文学博士)だそうです。
1870年て、明治3年です。
その時代に、著書約100冊の内23冊を、英文で書いたというとんでもない人。
生前、1963年にノーベル平和賞の候補に挙がっていたそうです。ほえー。
お弟子さんには、民芸で有名な柳宗悦などがいました。
よくも悪くも、今の日本の工芸(陶芸、繊織、漆器など)の価値観はこの柳宗悦がつくり、美術にも多大な影響を残していると言われています。
その、思想的な師匠って……
めちゃくちゃすごい人じゃん。
1950年より1958年の間は、アメリカのコロンビア大学に客員教授として滞在し仏教とくに禅の思想の授業を行っていたそうです。
この講義を熱心に聴いていたひとりが、アグネス・マーティン。
彼女はその後、東洋思想に熱中し、それを西洋のアートの文脈の中でかたちにしていきます。
本日の1品は、アグネス・マーティンの「Water」
たしかに、これを「水」ってとらえる感覚って、めちゃくちゃ東洋的な感じがする!
金属部分はボトルのキャップだそうです。
ちなみに、彼女は、ペイントの作品もこんな感じ。
ミニマルだけど奥が深い。
そんな彼女は、私生活もフラットでミニマル。
大人になってからはずっと一人で暮らし、一時期はアート業界からも姿を消していました。
また、2004年に92歳で亡くなっているのですが、最後の50年間は新聞も読まず、ほぼ外部の情報のない中で暮らしていたようです。
洋の東西を問わず、人の思考から究極まで余分なものを取ると、こんな感じになるのかな。
美しいって素直に言える絵だわ。