くま美術史

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ニューヨークに人口な滝【1日1品】

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台風が来ますね。

これだけ文明が進んでも、強い風と雨にが降れば、命の危機を感じます。

社畜のみなさんも、ぜひ甘くみずに、雨が降ったら休んでください。

2016年にもなって、自然なんかに負けるかよって思う瞬間もありますが、ふつうに負けます。

深い山や、広い海を見て、無性に居心地の悪さを感じるのは、そこに自分の力なんて全く及ばない圧倒的な存在を感じるからでしょう。

だからこそ、自然を前にしたときに、心が揺さぶられ、感動をせずにはいられないのだと思います。

今日は、スピリチュアルでナチュラリストな私でお届けします。

進めます。

 

人類は古くから、大きな自然の力を理解しようとし、また、助けを乞おうとして、自然をさまざまな形で表現していきました。

……こんな話、退屈ですよね。

知りません。

今日は、このテンションで行くと決めました。

フォローミー。


そんな自然というものへの、ある意味、信仰心に近いものを、現代のアーティストはどんな風に表現するのか。


本日の1品は、オラファー・エリアソンの「The New York City Waterfalls, 2008」です。

その名の通り、ニューヨークの街のあちこちに、人口の「滝」を出現させた作品です。

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滝は、普通、人里離れた山の中などにあるものです。

なぜなら、滝は古来より信仰の対象であったり、騒音が大きいのでちょっと離れて暮らしたい場所であったりしたから。

滝のそばで暮らすとなると、赤ちゃんが泣いちゃいます。

音、大きいからね。

ポチャーン、ポチャーンという水滴の音すら敏感に反応してしまう我々には、滝はちょっと。


そんな滝さんを、あえて都会に出現させ、「自然」ってなんだろう。

「人間の生活」って、なんなんだろうと考えさせるのが、このニューヨークシティウォーターフォールズです。

2016年には、ベルサイユ宮殿にも滝を出現させています。


東京でやるならば、日本橋のあの橋のところから、ドドドドーっと水が流れる感じですかね。

けっこうテンションあがりますね。

京都で、清水の舞台とか、ベタベタなところでやるのも見たい。

あとは、やっぱり水道橋ですかね。

東京医科歯科大学のてっぺんから、下の川まで滝が落ちていたら、そうとうテンションあがりますね。


オラファー・エリアソンは、この他にも設置する環境にあわせた作品(サイトスペシフィックと言うらしい)を作っています。

なかなか日本では大規模プロジェクトが難しいですが、そのうちやってくれることを期待しています。

 

それでは、台風を警戒しつつ、楽しんでください。