くま美術史

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アイデアマンはリスキー【1日1品】

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最近よくプールにいきます。

私のパートナーが泳ぐことにハマり、1週間に1度は泳がなければならないという謎の使命感につき合っています。

もともと彼女は泳げなかったのですが、数回通ううちに、25メートルのプールはなんなく往復できるようになりました。

今は1回に500~600メートル程度をゆっくり泳いでいます。

ふつうの市民プールのため、水泳キャップの着用が必須なのですが、お互いに競泳水着は持っていないので、リゾート感の強い水着で周囲からは浮いています。

といっても、仕事終わりの夜8時から9時ぐらいに行くことが多く、プールはいつも空いているので、おかしなふたり組もまわりを気にせず浮いていることができます。

プール楽しいですよね。

大量の水の中を潜ったり、進んだりするだけなのに、なぜあんなに楽しいんでしょう。


ということで、本日の1品は、とっても単純で申し訳ないですが、レアンドロ・エルリッヒの「スイミングプール」です。

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金沢21世紀美術館にある、建物一体型のおおがかりな作品です。

外からプールの中を見た景色と、プールの中から外を見た景色の両方を、濡れることなく、はっきりくっきりと見ることができる作品です。

「現代美術って面白くないじゃん」とかいっちゃう美術童貞なボーイには、これを体験させてあげたい。

こういう発想で世界を考えると、人生が楽しくなるなという作品です。


ただ、問題がひとつ。

作者のレアンドロ・エルリッヒさん。

そこそこの一発屋で、これ以外にもいろいろ作っているのですが、このプール以上にパッとする作品がない。

イデア勝負で生きていくって、なかなかリスクだな。