くま美術史

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正しい美術の見かたと、感想の表し方【1日1品】

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美術は主観で見て、主観で語った方が絶対におもしろいです。

「あら~」「ええですよね~」「きれいですよね~」「タッチがね~」「ほんまですね~」

こういう慣れあいの感想は悪です。


では、どう楽しんだらいいかというと

 

誠太郎「これ最高だな!」

妙恵子「は? このくそみたいなのが?」

誠太郎「あ? 毎日鏡で自分の変な顔を見続けておかしくなったのか?」

妙恵子「お? そういえばお前が付き合う女、いつもブスだもんな」

 

これが正しい美術の感想の共有ですね。


美術は表現の幅が広いんだから、自分にフィットするものも、しないものもたくさんある。

いちいち気を使って、いいのか悪いのか相手や世間の反応なんて見ていたら、それだけでストレス。

なんにも気にしないで、フリーに見て、好き勝手にしゃべるのが、1番楽しいんです。

よくないなと思ったら、よくないと口に出して、意見を戦わせるのも、鑑賞の楽しみです。

隣の人と異なる意見を戦わせながら見ることで、自分では気づかなかったよさに気づいたりすることもあります。

 

ジャパンでは、人の意見に「NO」ということが、まるで悪いことのように言われますが、意見というのは人ぞれぞれ。

アーティストも、たくさんの意見がでてくることぐらい承知で作っているし、悪い意見でも無視されるよりはうれしいものです。

適当な意見や、無視をされるぐらいなら、きちんと反対意見をだそう。


と、いうことで今日は、最近見たクソみたいな作品のことを。

瀬戸内国際芸術祭で見た「檸檬ホテル」について。


これは、近年まれに見る恥ずかしい作品でした。

古民家を改装し、檸檬ホテルという実際に宿泊できる体験型のアート作品をつくられたようです。

宿泊せずに、体験することも可能です。

男女1組でペアになり、音声ガイダンスに従いながら、ホテルの中を散策するのですが。

このガイダンスが恥ずかしい。

伊勢丹新宿店メンズ館」のスタッフが出す帯域の音声で、好きなミュージシャンの歌詞を引用したラブレターのような薄ら寒い内容のポエムが読み上げられます。


めまいがして、げろが出るかと思いました。

なんかもう、面白くないし、センスも3年前ぐらいのやつって感じでした。

ほんともう、こっちの頭もいがむから、ああいうものを安易に体験させないでほしい。

つまらなかったです。