くま美術史

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盲導犬のモナミ【1日1品】

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三軒茶屋の「るくぜん」という薬膳料理のワークショップに行ってきました。

luxen.jp

世に薬膳料理は数あれど(知らんけど)、ここのワークショップはひとあじ違います。

まず、オーナーの難波さんは、目が見えません。
なので、盲導犬のモナミさまといっしょに生活されています。

そんな、難波さんに指導を受け、わいわいおしゃべりしながら料理を作っていきます。

薬膳と言っても、「体にいい味」みたいな、まずいのではなく、おいしい料理を丁寧に作るってかんじです。
昨日は、麺から手作りの、冷やし中華をつくりました。あと、桜餡の葛餅も。


まあ、とにかく明るいワークショップで、ずっと爆笑していました。

難波さんは、事故で怪我をし、視力を失ったとのことですが、「僕は顔をたくさんいじっているから、年齢不詳だよね(ニヤッ)」みたいなギャグも飛ばしていました。

盲導犬のモナミさまも、家にいるときはリラックスムードなので、とにかく甘えんぼ。

今まで出会った犬の中でも、トップクラスのかまってちゃんで、大型犬なのに私の膝の上で猫のようにごろごろしていました。


薬膳料理以外にも、鍼灸やお灸の医院もやっています。

というか、そっちが本業(?)


難波さんと、モナミさまに癒されたい方は、ぜひ行ってみてください。


そこで、思い出したのがソフィ・カル。

フランス生まれのこのアーティストの作品に「盲目の人々へ」というシリーズがあります。

ソフィ・カルが生まれつきの盲目の人々に会い、「あなたにとって美のイメージとは?」と、尋ねていく作品です。


ある人にとっての「美」は水槽の金魚であり、ブロンドの髪の青い目をした男の人であり、羊と母とアラン・ドロンです。

作品は上の画像のように、盲目の人々の写真と、その人が答えた「美のイメージ」が、文字と画像でならべられています。

 

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見えないことと、見ること、美しいということ。

私は、なにかをきちんと見ることができているのかな。

機能として見えることと、ものをきちんと見ることはぜんぜん違うことだなと思いました。