森の中の淺井裕介としなびた温泉のにおい【びじゅツアー番外編】
生まれも育ちも群馬県なわたくしは、定期的に温泉につからないと呼吸ができなくなるという呪われた体質をもっています。
群馬県の山側うまれの人間はみんなこうです。
そこで、箱根へやってきました。
「天山湯治郷」で湯につかり、そばを食べ、せっかくなので3歳ぶりぐらいに「彫刻の森美術館」に行こうということになりました。
しょうじきまったく期待してなかったです。
ふるい美術館だし、運営がフジサンケイグループだし、面白いわけがないと。
でも……
はいってみると、意外にすごく楽しい!
「ブールデル!マイヨール!佐藤忠良!ジャコモマンズー!ゴームリーまであるでねえか!」とはしゃぎます。
そういえば私は彫刻畑でそだったんだった!
すすむうちに、淺井裕介さんの特別展示をやっていると知り、これはしたり!と侵入します。
すると……
やばい!!!!!!!!
すごい!!!!!!!!
これなに!!!!
ツリー星人!?!?!?!
かわいい!!!!!!!!
2階はもっとすごい〜〜〜〜〜〜
すごい。
手前のは淺井さんがよく描くネズミのキャラクター。
でかい。
づごいー!
でがいー!
土で描かれているから、すごく地味なんだけど、きらきらと神々しくて。
アニミズムの神様はきっとこんな見た目なんだろうなと思いました。
いやぁ。満足です。
淺井さんは1981年に生まれ、高校卒業後は美術大学に進学せず、好きな絵を描きつづけているというめずらしい人です。
ほんとうに絵が好きなんだなっていうのがしっかり伝わってきて、見ているこっちも楽しくなる絵です。
「楽しい」って、いまの時代を代表するとても大切なテーマだと思うんです。
ちょっと前の美術は、とにかく小むずかしく、わかりにくく、排他的。
それはそれで新しいものができて、意味はあったけど、もう時代は明確に変わっちゃいました。
これからは、楽しい美術が必要とされているし、今の時代をきちんと表現するには楽しさがぜったいに必要です。
くま美は今後も、淺井さんのような楽しく美しい絵を描くアーティストをそろえていきます。