くま美術史

くま美術店の公式ブログです。するりとわかる美術史や、笑える美術の展覧会情報などをお届けしていきます。公式販売サイト「くま美術店」http://kuma-bijutsu.jp/

ボスコ・バーティカル【昨今のアートワールド】

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日本人の写真家 石川直樹さんがイタリアのミラノで新しいプロジェクトを始めるそうです。

 

それにしてもすごいビルだな。自然を意識した結果、どんどん自然から遠ざかっていく感じがいいですね。

 

このビルは「Bosco Verticale」という建物。デザイナーは、Stefano Boeri(ステファノ・ボエリ)さんという1950年にミラノで生まれ、今もずっとミラノを拠点に活躍されている建築家さんです。また、都市のプランナーという肩書きも持っており、廃れた汚染のひどい港を再開発したり、環境負荷のすくない住宅の設計をするなど、いい人です。豊洲に欲しい人材。

 

それにしても、この写真の色のすごさよ。さりげなくDHLのバンを入れて、全体のトーンをきっちり整えてしまうあたりが才能なんだろうなと思います。このバンのありやなしやで、印象がまったくちがってくるんでねえかと思います。

ジャパニーズ・ポップ・アート【昨今のアートワールド】

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アートのウェブメディア「artnet」が、そのサイト上で行なっているオークションで、草間彌生村上隆奈良美智などの伝説的な日本人アーティストたちがフューチャーされています。

 

ちょうど草間彌生欲しかったんだよね〜という軽い気持ちで購入できるので、希望される方はググってみてください。

 

いや、あのー。これだけアジアの緊張感が高まって来て、イギリスはまた総選挙するとか言っている中で、アホみたいに毎日毎日アートアート言い続けているのってどうなの??って思われる方もいると思うんです。ぶっちゃけ、日本人アーティストのことより、現在進行形で表現の自由が一切ない北朝鮮国民のことを考えろよって意見もあるかと思うんです。

 

それに関しては、まったく正論で、ぐうの根も出ないところではあるんですが。

 

でも、アートマーケットがきちんと機能してるってことは、一部ではあるけれど表現の自由が確実に守られている証でもあるんです。だって、今も昔もアートマーケットは新しい表現者の、新しい作品が欲しくて欲しくてしようがない人が集まっているから。今までにない思想を持った人が、まったく見たことのないものを作った時に、アートマーケットは動き出します。

 

これを動かし続ける意味は、やっぱりあると思うんですよね。

ムンク【昨今のアートワールド】

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ムンクがこんなに可愛いってご存知ですか?

 

Edvard Munch(エドヴァルト・ムンク)といえば、日本の教科書にも絶対に出てくる巨匠中の巨匠ですが、「叫び」のイメージが強すぎて怖い絵を描くと思われがちな気がします。

 

そんなことない。ムンク=カワイイです!!

 

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今、ノルウェーオスロにあるムンク美術館で開催中の展示「EMMA & EDVARD - LOVE IN THE TIME OF LONELINESS」がすごくいいらしい。

 

ムンクの絵画と、映像作品がセットで展示され、この時代の中でムンクをあらためて評価しましょうってことになっているようです。

マリア・アイヒホルン【昨今のアートワールド】

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意味のある仕事。

 

仕事に意味を見いだすことって、意外と難しいです。最近、よく聞くのは「社会性」って言葉ですが。まぁ、これは、すごく雑でテキトーな言葉だと思っています。

 

だって、万人に共通する「社会」なんてものはどこにもないです。群馬県の田舎と、東京の丸の内が、同じ社会問題を抱えているわけがないんです。全く違う問題の中で生きている。社会なんて、どこにもないんです!!

 

それでも、Maria Eichhorn(マリア・アイヒホルン)の仕事は、とっても社会的に意味のある仕事だなって思っています。

 

彼女は、ナチスに略奪された美術品などの情報を、膨大な文献を探ることで、歴史の中で埋もれ、未解決となっている問題を丁寧に解き明かしているというアーティストです。

 

アーティストなんです。この画像は、彼女の展示風景の様子です。

 

ある意味の狂気〜! そして強い社会性〜!

アウグスト・ザンダー【昨今のアートワールド】

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久しぶりに書きますが、美術は、見えないものや、見えにくいものを、見えるようにする方法です。

 

だから、最近の画像加工文化は、ある意味正解というか、まっとうなことだと思っています。

 

私がよく見るのはグラビアアイドルとか、アダルトビデオの女優写真ですが、当人とは大きく異なる見え方に加工をされているけれども、それはそれで「男性の考える理想的な女性像の見た目」というすごく複雑なものを表現していると考えれば、加工はあり。

 

ただ、どんなに加工しても、この方の写真に出てくる人物の魅力には遠く及ばないんです。

 

1876年にドイツで生まれた August Sanderアウグスト・ザンダー)は、人物を撮影することで社会を記録することを目的に、普通の、そこらへんに暮らしている人々を撮影し続けました。

 

ポーズも、エフェクトも加えず、そのまま撮るというシンプルなスタイルで撮影された当時のドイツの労働者のきらめき。

ハマナカ・タクジ【昨今のアートワールド】

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葛飾北斎の「富嶽三十六景」のうち、この「神奈川沖浪裏」を一度も見たことがないよって人はほとんどいないんじゃないでしょうか。

 

まぁ、それはいいんです。みんな知っている素晴らしい絵。私も知っています。

 

そうじゃなくて、今回、オークション会社の「Christie's」は、この北斎の作品がどのように作られたのかを、日本人アーティストの浜中卓治さんと解き明かすという試みをしています。

 

でね、何がすごいと思ったのかというと、インスタグラムのポストにここまで高いレベルで撮影された動画を持って来ているってことです。

 

本気が見える。自分たちが売る商品に対しての、最大限の興味と敬意が、このSNSのポストひとつから見えてくる。

 

それがすごいよねって話です。

ヴォルフガング・ティルマンス【昨今のアートワールド】

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この時代を代表するアーティストは誰になるのかっていう問題は、今のところまったく答えが出ません。

 

今生きている人で言えば、ゲルハルト・リヒターダミアン・ハースト村上隆アイ・ウェイウェイ、デビッド・ホックニーあたりがとにかくヒーロー的に活躍しているのですが、アートの世界は300年ぐらいかけて評価が続いていくので、彼らの作品が今後どうなるかはマジでわかりません。

 

実際、江戸時代とかでも、「当代随一の絵師」みたいな評価を受けていた画家の作品が、その後の300ぐらいの間に価値が落ちていき、今ではそこまでいいもんじゃないねって評価されているなんてことはざらにあります。

 

でも、Wolfgang Tillmansヴォルフガング・ティルマンス)の作品は、今後もずっと残って欲しいなって思います。

 

私は、ティルマンスの作品が、好き!!

アーバン・ライト【昨今のアートワールド】

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この等間隔に並んだおびただしい量の電灯は、1946年にアメリカで生まれたアーティスト Chris Burden(クリス・バーデン)の「Urban Light」という作品です。

 

この作品は、幻想的で、シックで、大人な雰囲気。ですが、クリス・バーデンと言ったら過激なパフォーマンスでその名が知れ渡っています。フォルクスワーゲン・ビートルの上で手に釘を打ち付けてみたり、ギャラリーの隅っこに喋ることもなく22日間ずっと居続けたり、何してんだっていう作品で有名な方です。

 

使われているライトは全部で202本、1920〜30年代に作られ、かつて南カリフォルニアの街を実際に照らしていたものです。ほとんどをバーデン自信が7年かけて収集し、修復、設置しました。

 

こんなに綺麗なインスタレーションなのに、アーティストの狂気そのものに見えます。

 

本日のまとめとしては、人間の狂気は美しく、とても面白いっていうことです。雑ですが、そういうことが言いたい。

チェリー・ブロッサム【昨今のアートワールド】

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今年は桜をたくさん見ています。京都の桜はやっぱり最高だったんですが、ブルックリンでも桜が咲いている。

 

という、それだけの話。アートの話でもなんでもない。

 

最近なんでか忙しくて。ブログ書くのも停滞しがちで何日かまとめてになっています。神は細部に宿るらしいので、こういう雑なことをしていてはいけないなと思うのですが、ちょっと今は仕方ないかな。

 

目黒川の桜もよかったなぁ。

大阪の桜もよかった。

ホックニー・インスパイアード【昨今のアートワールド】

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メディアミックス!

 

海外の美術館は、オンラインを使った新しい試みに力を入れまくっています。

 

イギリスの「Tate」では、先日もお伝えした通り、デヴィッド・ホックニーの大規模な回顧展に合わせて、「#HockneyInspired」という企画を行っています。ホックニーのファンたちが、ホックニー風の絵を描いて、インスタグラムで投稿すると、Tateのメールマガジンで世界中に描いた絵を配信してくれるというものです。

 

権威は来ていても仕方のないもので、脱いで誰かに着せてあげることで価値が生まれます。世界で3本の指に入る近代美術館がこういう企画をSNSでやることは、とってもいい!