ヴォルフガング・ティルマンス【昨今のアートワールド】
この時代を代表するアーティストは誰になるのかっていう問題は、今のところまったく答えが出ません。
今生きている人で言えば、ゲルハルト・リヒター、ダミアン・ハースト、村上隆、アイ・ウェイウェイ、デビッド・ホックニーあたりがとにかくヒーロー的に活躍しているのですが、アートの世界は300年ぐらいかけて評価が続いていくので、彼らの作品が今後どうなるかはマジでわかりません。
実際、江戸時代とかでも、「当代随一の絵師」みたいな評価を受けていた画家の作品が、その後の300ぐらいの間に価値が落ちていき、今ではそこまでいいもんじゃないねって評価されているなんてことはざらにあります。
でも、Wolfgang Tillmans(ヴォルフガング・ティルマンス)の作品は、今後もずっと残って欲しいなって思います。
私は、ティルマンスの作品が、好き!!
アーバン・ライト【昨今のアートワールド】
この等間隔に並んだおびただしい量の電灯は、1946年にアメリカで生まれたアーティスト Chris Burden(クリス・バーデン)の「Urban Light」という作品です。
この作品は、幻想的で、シックで、大人な雰囲気。ですが、クリス・バーデンと言ったら過激なパフォーマンスでその名が知れ渡っています。フォルクスワーゲン・ビートルの上で手に釘を打ち付けてみたり、ギャラリーの隅っこに喋ることもなく22日間ずっと居続けたり、何してんだっていう作品で有名な方です。
使われているライトは全部で202本、1920〜30年代に作られ、かつて南カリフォルニアの街を実際に照らしていたものです。ほとんどをバーデン自信が7年かけて収集し、修復、設置しました。
こんなに綺麗なインスタレーションなのに、アーティストの狂気そのものに見えます。
本日のまとめとしては、人間の狂気は美しく、とても面白いっていうことです。雑ですが、そういうことが言いたい。
チェリー・ブロッサム【昨今のアートワールド】
今年は桜をたくさん見ています。京都の桜はやっぱり最高だったんですが、ブルックリンでも桜が咲いている。
という、それだけの話。アートの話でもなんでもない。
最近なんでか忙しくて。ブログ書くのも停滞しがちで何日かまとめてになっています。神は細部に宿るらしいので、こういう雑なことをしていてはいけないなと思うのですが、ちょっと今は仕方ないかな。
目黒川の桜もよかったなぁ。
大阪の桜もよかった。
ホックニー・インスパイアード【昨今のアートワールド】
エス・ピー・アルテ【昨今のアートワールド】
世界中のどこかで、今日もまたアートフェアが開かれています。
それにしても最近本当に多いです。美術の市場は、ずっと「品薄」と言われており、需要に対して供給が少ない状態です。だから、こうやってフェアを開催するとしっかり売れるんだろうなって思うので、いいんですが。いいんですが! いろんなところでボコボコ開催しすぎじゃねえかい?? とも思うわけです。
このポストは、ブラジルのサンパウロで「SP-Arte/2017」というフェアが開催されますよって内容です。
お近くの方は、行ってみて。
ラディカル【昨今のアートワールド】
中学校の時に、あだ名が「過激ちゃん」という男の子がいました。本人は、過激どころかむしろ大人しいタイプで、なんでそんなあだ名になったのかわかりません。
で、あいも変わらず、中国人アーティストの张洹(ジャン・ホワン)は過激です。
なんだこれ。
トマス・ラファ【昨今のアートワールド】
今、アートの最大のテーマは「社会」です。
多くのアーティストが、社会という、どこにも存在せず、見えないものを、なんとかみえるかたちにしようと奮闘しています。
その中のひとり。Tomáš Rafa(トマス・ラファ)というアーティスト。彼は、ヨーロッパの一部地域を映像に撮るというものすごくダイレクトな手段で、社会を表現しています。
この画像は、映像作品の一部です。ポーランドの首都ワルシャワの通りを、独立記念日に過激なナショナリストが赤い煙を撒き散らしながら歩く様子です。彼らの主張は、反イスラム。
皮肉なことに、ファシズムに似た愛国の運動が、ポーランドで行われています。
ただ、一方で、この更新へのゲイの権利や平等を訴える行進も行われ、強い2つの主張がぶつかる様子が記録されています。
でもさ、本来、主張なんていうのは2つどころではなくて、同じ地域内であったとしても数百数千といろいろな主張があるはずなんです。多数の人が、同じ主張を繰り返すことそのものが、すでに異常な状況です。
全編見たい方はこちら。
ニュー・ワークス・オブ・ダミアン【昨今のアートワールド】
……で、ダミアン・ハーストの新作が公開されました。
うーんー。
いまいち!!! どうなんでしょうこれ。よく調べていないですが、難破船と共に沈んだ太古の彫刻を引き上げたというコンセプトのようなんですが、なんか、相変わらずの強い中二病感があって。それが前面に出すぎていて。
これとか、もう、なんか、暴走族感すらあるよね。
でも、良くも悪くもこれがダミアン殿下の作風ではあると思います。ずーっと、批判も受けながら、それでもここまでドーンっと自分の世界を打ち出せるって、偉大なことだと思います。
また、彼の作品は、いつも最初は批判を帯びて、徐々に評価が高まっていくので、まぁ、新しいのか。
でも、これ、本当にいいのか??
フリーズ・ニューヨーク【昨今のアートワールド】
アートバーゼル香港も終わり、舌の根も乾かぬうちにまた新しいアートフェアが始まりました。
アートメディアの大御所「Frieze Magazine」が開催する「Frieze New York」。今日から!
いくつか出品作品画像がポストされていますが、この2枚目を見ていただきたい!!
John Currin(ジョン・カリン)という1962年にアメリカで生まれたアーティストの作品です。ルネサンスの技術を使い、現代の社会を風刺的に描くという、なんともストレートな「アート」って感じのことをしている方です。
その他にも、いろいろ活躍中のアーティストが紹介されています。お近くの方はぜひ。遠すぎるよって方は、インスタグラムをチェックしてみてください。メディアが主催のアートフェアなので、今後も活発に情報発信してくれると思います。
クワイエット・モーニング【昨今のアートワールド】
ニューヨーク近代美術館では、月に一度、水曜日の朝5:30から、美術館で瞑想を体験する「Quiet Morning」という企画が行われています。
西洋文明の結晶にして象徴たるアートの殿堂で、瞑想ですよ。
えーと、やや小難しい話をすると、私は基本的に「日本的なもの」という価値観を信じていないんですね。なぜなら、今の「日本的」っていう多くのものは、明治時代に道徳教育なんかを行う目的で神社に一定の権力を持たせ(その際に仏教は排除)、その流れの中で政治的につくられた価値観だからです。1500年ぐらい仲良くやっていた仏教さんを排除しておいて、江戸時代に作られた数々の名品を海外に流出させておいて、一部のものだけを「これが日本です」っていい出した文化的に偏った政策には賛同できないわけです。
まぁ、そんなわけで、文化っていうのは「こうだ!」って決めない方がいいと思うんです。だから、ニューヨークの美術館で瞑想をすることには賛成。という話。
でも、朝早いから行きません。行っても寝てまう。